……と、思っていた。
ひとりでそう浮かれていた。
もう7月に突入して、夏休みが間近に迫っていた。
高木くんが転校してきて一ヶ月以上が経ったことになる。
高木くんはすっかりクラスにも馴染んで、友達と楽しそうに話している姿をよく見かけるようになっていた。
部活には入っていないみたいで、下校の時間になればさっさと教室から出て行ってしまう。
結論から言えば、私と高木くんの仲はあれから全く縮んではいなかった。
交わす言葉は「おはよう」くらいで、あちらから話しかけてくることも、私から話しかけることもなかった。
これで、いいんだろうか。
私の物語とやらは、中途半端なとこでストップしているわけだ。



