「え、どうしたの? ごめん、私何か言っちゃった?」
全く記憶は無いが、まずいことをしてしまっただろうか?
まさかノートの件の怒りが今になって?
どうしよう……と、不安になったが、高木くんは慌てて首を横に振った。
「そんなんじゃない」
「いや、でも……」
「いや、気持ち悪いと思われたかなって……思って……」
今度は私が難しい顔になった。
何故そんな発想に至ったのか、考えても見当がつかなかった。
私はただ、嬉しかったのに。
「そんなこと思わないよ?」
「そ、そう、ならいい」
高木くんは安心したようにそう言った。
きっと、さっきの私みたいに全身の力がすっと抜けたんだろうと思う。



