きみと最後の1ページまで







「ていうか、星川さんも帰りこっちなわけ?」

「え、うん……」




そういえばずっと一緒に歩いていた。


なので、普通に「そうだよ」と返すつもりで口を開いたが、ひとつ引っかかることがあった。




「な、名前」

「なに?」

「私の名前知ってるんだ?」

「え……まぁ」

「全然話したことなかったのにね」




高木くんが転校してきてから今の今まで一切の関わりがなかったし、私はクラスでも全然目立つタイプではない。


そんな私の名前を覚えててくれてるなんて嬉しすぎて、自然と笑みがこぼれる。


ひとりでにやにやしながら高木くんのほうを見ると、私とは反対に何故か難しい顔をしていた。