「っ…………」


『泣いたら駄目だよ。
じゃあ、クイズ!
本当に素敵な女性は、何で決まる
思う?』


「そんなの、見た目とか、家柄とか
に決まってるじゃないですか………」


『それは違うよ。
素敵な女性は、どんな時でも明る
く、それでいて、気を遣える人な
んだ。』


「無理ですよ………」


『舞踏会に行くプリンセスたちは、
コルセットで絞めて、煌びやかな
ドレスを着て、お化粧もばっちり
していくんだ。
コルセットって、どれ位締めるか
知ってる?』


「さ、3cmくらい?」


『ハハッ、それは面白いな』


「笑わないでくださいよ!」


『ごめんごめん!
でも、昔は、コルセットの締め過
ぎで、内蔵が破裂する人もいたん
だよ』


「何でそこまでして………」


『全ては、“綺麗になりたい”。
ただそれだけだよ。
君も女性だったら、その感情、持
っているだろ?』


「………はい」


『僕、ここの生徒で、乗馬部の部長な
って、色んな人を驚かせた
だから、君もこの凛城学院に入って
色んな人を、見返してやろうよ!』


王子様は、太陽よりも眩しい笑顔で手を差し出した