『拝啓 伊集院樹様



こういうの、樹にやると、照れるから、普通に書くね!
樹がアメリカに留学した事を初めて知ったのは、樹が発ってから、1ヶ月後の事だったんだよ?
ごめんね、見送り行けなくて。
皆、行ったんだってね。

私も、行きたかった。
樹に、謝りたかった。

「好きになってごめんね」って。

私のせいだよね。
だって、私は普通に学校にも行って、普通に過ごして。
私、樹の事なら、全部知ってると思ってた。
でも、全然知らなかった。
でもね、これだけは本当だよ。

樹は、私の初恋の人です。

初恋が叶わないって、本当だったんだね。樹が優しいから、私、勘違いしちゃったよ〜!
樹は、少し口下手だけど、優しくて、皆の事を考えてくれてるから、良い人が見つかるよ!
頑張ってね。
私も、一歩進むから。

実は、陶芸のコンクールで賞を貰ったんだ!大賞は、部長だけどね。

樹に言ったら、頭を優しく撫でて、「頑張ったな」って、褒めてくれるのかな?
なーんてね!冗談だよ。

あと、もう一つ、報告があります。
私、新条麗咲は、結婚する事になりました!
相手は、陶芸部の部長の、佐々木さんです。
凄いでしょ?私でも、結婚出来るんだよ?
樹はどう?
まぁ、樹の事だから、きっと、アメリカで、「ボンッキュッボーン」なブロンド美女捕まえちゃってんだろうね!

お互い、幸せになろうね


新条麗咲』