──────中庭──────


「ねえ、今日の放課後、陶芸部の見学に行きましょうよ」


「今日?」


「えぇ!早く行きたいんです♪」


これは、宗と麗咲をくっつけるチャンスか


「じゃあ、宗を誘えば良いじゃん」


「宗は、乗馬部にヘッドハンティングされました......」


「じゃあ、綾乃は?」


「綾乃は、文藝部です......」


「美姫は?」


「美姫は、演劇部の人に恋したそうです...」


「またかよ......
じゃあ、雅は?あいつなら、大丈夫だろ!」


「弓道部の女の子たちに、強引に......」


「あ〜、あいつも、隠れた女好きだもんな」


「でも、私は、この状況ではなくても、樹と一緒が良いわ!それに、お父様も、樹と一緒なら、安心だなって!」


「はぁ......あのな、男っていうのは、誰でも狼なんだぞ?」


「じゃあ、宗も?」


「あいつは、いつも獲物を探してる」


「じゃ、じゃあ、雅も!?」


「あいつは、もう手に及ばないくらい、
しっかりした化けの皮を被ってる」


「じゃあ、皆動物のお肉がすきなんですね!」



「.........は?」



『伊集院ー!どこだー!!』


「げっ、剛田だ......」


「あっ、剛田先生だわ!せんs.........」


俺は、急いで麗咲の口を押さえた






──────「......よし、行ったな」


「んんー!」


「あっ、忘れてた、悪いな」


「もう!苦しいです!」


「でも、見つかったら、俺だけじゃなくて、
麗咲も怒られてたぞ?」


「そっ、それは......」


麗咲が髪をなびかせながらこっちを向いた


顔と顔の間は、3cmくらいしかない


時間が止まったみたいだ







俺は思わず、狼になってしまった


麗咲「んっ......///」



麗咲の唇はとても柔らかくて、溶けそうだった


「.........悪い、初めてが俺で......」


麗咲は、首を小さく横に振った


「えっ......」


「だって、初めても、樹だったから......///
初等部の時.........//////」




その顔を見た時、初めて人を愛おしいと思った




そして、小さい手を、優しく握った


壊れないように......









「......樹」


「ん?」


「私、やっと夢が叶いましたわ......」


「夢って何?」


「.........樹と、 こうしてる事です/////」


「バーカ、これくらいだったら、いつでもしてやるよ」



麗咲は、何故か涙を流していた


その涙を見ていると、惹き込まれそうだった


だから、俺は抱き締めた








─────宗、ごめん。でも、麗咲を渡す気は無いよ.........


麗咲の髪の毛はフワフワで、
全身から花の香りがした