あたしが高校に入って初めての
部活合宿が始まった２日目の朝
あたしは同期の1年4人と部長の茅野さん
副部長の新谷さんと同じ部屋だった
広い部屋で全員と雑魚寝すると聞いていたので
この部屋割りに驚いたけど
あたしは部屋の壁側の布団でその隣には部長の
茅野さんが寝ている
合宿初日、お風呂から上がって部屋に入ると
精神的な疲れもあってかすぐに寝てしまった
おかげでまだ起床時間にもなっていないのに
すっかり目が覚めてしまう
携帯の時計は3時になろうとしていた
うつ伏せになっていた体を仰向けにして
部屋の天井を見ながら合宿前日の事を
思い出す
〈あんなことしたから余計気になっちゃう
つか、毎日LINEするとかいったけど
こういう場合はしなくても大丈夫なのかな？
あたしは茅野さんと付き合い始めたのに
部活で顔を合わせていたので
全く連絡をとっていなかった
合宿の前日も部活が急に休みになったし
そのまま帰ろうとしたから茅野さんを
怒らせてしまった
前に茅野さんの家に行ったので
今度はあたしの家に来てもらった
部活の事、茅野さん自身の事、あたしの事
とにかく色んな話をした
ずっと同じ部活にいたくせに
あたしは茅野さんの事を全然知らなかった
付き合うと言うのは相手を知る事と
その相手に唯一触れる事が出来る事
懐に入られてあんな目で見られたら
我慢なんて出来る訳がない
その目はまるで、あたしを挑発するかのようで
付き合ってからまだ1か月も経っていないのに
あたしの頭の中は茅野さんの事をもっと
知りたい欲望でいっぱいになっていく
好きでいるだけで充分だった
一緒にいれるだけで心が弾んだ
付き合えた事なんて奇跡だと思った
なのに今はもっともっと先を望んでる
自分がどんどんと我儘になっている気がした
部の鉄則がなくなった事で部活内は
雰囲気が柔らかくなっていく
確かに前とは違ってみんなの笑顔が増えた
あたしは元々部活中に喋る事がないので
鉄則に縛られてる感はないけれど
周りで楽しそうに話す人達を見ると
みんなはこんな風に部活がしたかったのかな
と考えたりもする
勿論その余波はあたしのとこにもくる
あたしはなぜか昨日からずっと
2年の先輩らに囲まれている
１日の練習が終わってヘトヘトなはずなのに
なぜ、こんなにも元気なのかわからない
〈ご飯を食べてる気がしないや
茅野さん達のテーブルに行きたいな‥
先輩達の質問に答えながら
あたしは茅野さん達と食事をする
同期達が羨ましく思えてならなかった
食事を終えるとそのまま先輩達の
部屋へ連れていかれる
確かに今まで挨拶しかしていないし
先輩として後輩を構いたい気持ちはわかるけど
話のほとんどが部活と関係のない事ばかりで
〈合宿中じゃなくても聞けるのに？
つか、あたしとだけ話をしても
意味がないと思うんだけど
あたしは先輩達にお風呂の用意をしてくると
告げて、自分の部屋に帰ろうとした
でも不意に茅野さんの顔が浮かぶ
合宿に来てからまだ１度も喋っていない
〈こんなLINEしたら怒られるかな？
携帯を取り出して茅野さんにLINEをする
エレベーターの横には扉のついた
非常階段がありそこに座って茅野さんを待つ
茅野さんがすぐに来てくれた事が嬉しくて
顔は緩んで元に戻ってくれない
手に触れた瞬間あたしの中の欲が溢れてくる
部の鉄則がなくなったからといって
こんな風にコソコソと会っていたりしたら
別の噂が広がってしまうかもしれない
それに今は彼女が言うように合宿中だ
そう言われて拒否されたにも関わらず
あたしは自分を抑える事ができなかった
〈つか、そんな顔されたら余計無理だし
あたしは本当に我儘で強欲になっていた
部活合宿が始まった２日目の朝
あたしは同期の1年4人と部長の茅野さん
副部長の新谷さんと同じ部屋だった
広い部屋で全員と雑魚寝すると聞いていたので
この部屋割りに驚いたけど
あたしは部屋の壁側の布団でその隣には部長の
茅野さんが寝ている
合宿初日、お風呂から上がって部屋に入ると
精神的な疲れもあってかすぐに寝てしまった
おかげでまだ起床時間にもなっていないのに
すっかり目が覚めてしまう
携帯の時計は3時になろうとしていた
うつ伏せになっていた体を仰向けにして
部屋の天井を見ながら合宿前日の事を
思い出す
〈あんなことしたから余計気になっちゃう
つか、毎日LINEするとかいったけど
こういう場合はしなくても大丈夫なのかな？
あたしは茅野さんと付き合い始めたのに
部活で顔を合わせていたので
全く連絡をとっていなかった
合宿の前日も部活が急に休みになったし
そのまま帰ろうとしたから茅野さんを
怒らせてしまった
前に茅野さんの家に行ったので
今度はあたしの家に来てもらった
部活の事、茅野さん自身の事、あたしの事
とにかく色んな話をした
ずっと同じ部活にいたくせに
あたしは茅野さんの事を全然知らなかった
付き合うと言うのは相手を知る事と
その相手に唯一触れる事が出来る事
懐に入られてあんな目で見られたら
我慢なんて出来る訳がない
その目はまるで、あたしを挑発するかのようで
付き合ってからまだ1か月も経っていないのに
あたしの頭の中は茅野さんの事をもっと
知りたい欲望でいっぱいになっていく
好きでいるだけで充分だった
一緒にいれるだけで心が弾んだ
付き合えた事なんて奇跡だと思った
なのに今はもっともっと先を望んでる
自分がどんどんと我儘になっている気がした
部の鉄則がなくなった事で部活内は
雰囲気が柔らかくなっていく
確かに前とは違ってみんなの笑顔が増えた
あたしは元々部活中に喋る事がないので
鉄則に縛られてる感はないけれど
周りで楽しそうに話す人達を見ると
みんなはこんな風に部活がしたかったのかな
と考えたりもする
勿論その余波はあたしのとこにもくる
あたしはなぜか昨日からずっと
2年の先輩らに囲まれている
１日の練習が終わってヘトヘトなはずなのに
なぜ、こんなにも元気なのかわからない
〈ご飯を食べてる気がしないや
茅野さん達のテーブルに行きたいな‥
先輩達の質問に答えながら
あたしは茅野さん達と食事をする
同期達が羨ましく思えてならなかった
食事を終えるとそのまま先輩達の
部屋へ連れていかれる
確かに今まで挨拶しかしていないし
先輩として後輩を構いたい気持ちはわかるけど
話のほとんどが部活と関係のない事ばかりで
〈合宿中じゃなくても聞けるのに？
つか、あたしとだけ話をしても
意味がないと思うんだけど
あたしは先輩達にお風呂の用意をしてくると
告げて、自分の部屋に帰ろうとした
でも不意に茅野さんの顔が浮かぶ
合宿に来てからまだ１度も喋っていない
〈こんなLINEしたら怒られるかな？
携帯を取り出して茅野さんにLINEをする
エレベーターの横には扉のついた
非常階段がありそこに座って茅野さんを待つ
茅野さんがすぐに来てくれた事が嬉しくて
顔は緩んで元に戻ってくれない
手に触れた瞬間あたしの中の欲が溢れてくる
部の鉄則がなくなったからといって
こんな風にコソコソと会っていたりしたら
別の噂が広がってしまうかもしれない
それに今は彼女が言うように合宿中だ
そう言われて拒否されたにも関わらず
あたしは自分を抑える事ができなかった
〈つか、そんな顔されたら余計無理だし
あたしは本当に我儘で強欲になっていた
