たとえばモラルに反したとしても


 壊れてしまったの?

 あたしの心も体も、どうかしている……

 誰のことも求めたことなんてないのに

 どうして三好を強く求めてしまうの?


 少しぼんやりとしてしまっていたようで、三好が覗き込むような体勢で桐華を見つめた。

 それからいたずらを企むような笑みで問いかけた。

「お姫様? どうかしましたか?」

 あの口調になっている……

 今なら命令をしてもいいの?


 抱いて。
 キスして。
 髪を撫でて。

 命令したら、全部叶えてくれるの?


 スッと目が細められて、三好の綺麗な瞳が艶を含む。

 ゴクリと唾を飲み込んだ自分が、ひどく浅ましく貪婪な女に思えて、小さく絶望する。

「お姫様? 何かご所望?」

 手を伸ばして親指で、桐華の唇を軽く撫で上げながら囁いた。