たとえばモラルに反したとしても

 どうしてだろう。
 こんな些細なことに、どうして胸が騒ぐのだろう。

「着替えた方がいいね。玄関で待ってるから、お化粧も直したほうがいいかもね」

 笑いながら三好は桐華を引っ張って立ち上がらせると、すぐに手を放して部屋を出て行った。

 泣いたから、きっとヒドイ顔をしているはず。

 見られたかな?
 でも電気も点けていないから、大丈夫だよね?

 慌てて部屋の灯りのスイッチを押すと、いきなり溢れかえった眩しすぎる光に目を細めた。


 投げ捨てたままの学校カバン。

 ベッドの上のケータイ。

 電源を入れると息を吹き返したケータイが主張していた。


 メールがあったよ、と。


 取り上げて瞼を閉じた。


 三好からの……

 メールがちゃんとある。


 キュッとケータイを胸に握りしめた。