部屋に居るときより固い顔で、それでも何とか私と居るときの顔をしている中村 クルッと回転させて、私に背中を向けさせた。 「何?」 「マフラー、貸してあげる。次来るとき返して」 「明日だな」 「バカだから忘れそう」 「そこまでバカじゃねぇよ」 「そうなの?」 「おい」