「お父さんを、よろしくね」 俺が10歳の時だった。 でも、しっかり覚えている。 俺の大好きな、優しい笑顔で微笑んで 俺の大好きな、温かい声で言ったんだ。 病院に運ばれた時にはまだ生きていた。 ストレッチャーでオペ室に運ばれた動かない母さん それ以降 俺は生きた母さんを見ることはなかった。