足を上げると一目散、のつもりで よたよたと逃げていく男 明るい光に紛れていくその背中から早々に目を離し天を仰ぐ。 数歩でも表に出れば見えなくなってしまう頼りない光を放つ星が幾らか目に入った。 「寒ぃ」 口を突いて出た言葉と共に吐き出された白い息はあっという間に空気に溶けて消えていく。