「中村!廊下は」 「黙って左」 「……うん、またね。気を付けてね」 「おぅ。じゃあな」 パタンと静かにドアが閉まった。 中村は帰った。 そうだ。 中村はもう私が言わなくても壁際を歩いていたじゃないか それくらい、家に来ていたんだ。