(あれ……?)


外へ出るの?



「早く来いよ!」


何だか機嫌悪くない!?



「は…はいぃ!」


返事良く外へと向かった。
内心はどこへ行くのか、怖くて聞くこともできない。

車の助手席に座った途端、荒っぽいキスを受けた。
丁寧に舐められ続けた昨夜とは違う、全然別な感じのキス。


違い過ぎるから怖くなった。
もしかしたら、これが本当の大輔さんのような気がして……。



「……寺へ向かう」


唇を離したら、キーロックを外して言った。


「えっ……?」


ハッキリ聞こえなかった。


「寺。クソ親父に報告する」


私が驚きの声を上げる前にアクセルは踏み込まれた。
爆音のようにエンジンを鳴らし、車は駐車場を走りだしてしまったーーー。