吃るまいとしたら妙なところで句点がつく話し方になってしまった。
笑われても仕方ないと思ってたのに、轟さんは笑うどころか大真面目な顔をして。



「なんで」


素朴な疑問を投げ掛けてくる。


「だ…だって.わ、私はか、家族でもないし……」


彼女も辞退したし、全くもって無関係だ。


「俺の独り言聞いてるつもりでいればいい。ホントは誰にも言わないつもりでいたけど、さっきのケイの言葉を聞いて気が変わった」


「わ、私……?」


何かマズいことでも言った!?


「聞いといて欲しいんだ。俺がどれだけ恵まれない人生を送ってきたか……」


「えっ…?」


恵まれないってどういうこと!?
どう見ても恵まれてるじゃん!?



「とにかく聞けよ」


(ヤダ!聞きたくないっ!!)


心の中で思いきり拒否った。
でも、轟さんの話は始まってしまった。