*・*・*・*・*
「それでもいいわ。王子様と一緒に、いられるのなら」
熱のこもった指を組み、力強く天を仰ぎ見た。
そして私は、目をきつく閉じ、全身で声を絞り出す。
「お願い、私を人間にして」
全身全霊で叫んだ瞬間、その手を解き放ち、天へと伸べた。
「はい! カッート!」
喉が割れんばかりの声が響き渡る。
突然に意識を引き戻され、私ははっと目を瞬いた。
「やばい、泣きそうだった」
息を弾ませながら腕を下げる私の前で、目じりを拭う女子。
見ていたほかの生徒たちも、瞳を潤ませてこちらをじっと見ている。
私はそんな状況に目をみはった。