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「それでもいいわ。王子様と一緒に、いられるのなら」

熱のこもった指を組み、力強く天を仰ぎ見た。

そして私は、目をきつく閉じ、全身で声を絞り出す。

「お願い、私を人間にして」

全身全霊で叫んだ瞬間、その手を解き放ち、天へと伸べた。

「はい! カッート!」

喉が割れんばかりの声が響き渡る。

突然に意識を引き戻され、私ははっと目を瞬いた。

「やばい、泣きそうだった」

息を弾ませながら腕を下げる私の前で、目じりを拭う女子。

見ていたほかの生徒たちも、瞳を潤ませてこちらをじっと見ている。

私はそんな状況に目をみはった。