ただあの子になりたくて



自分の体のはずなのに得体が知れず、気味が悪い。

私はそれに耐えるように、両腕で身を抱えた。

するとお母さんは、そんな私の横をするりと抜け、ベッドへと近づき、聞いてもいないのに口を開いた。

母親でも椿が私だなんて気づかない。

当り前だ。私たち親子の仲は深いものではなかったのだから。

「昨夜のことだったわ。事故だったの。病院から電話がかかってきて……。踏切で、電車にはねられ、搬送されたと……」

「踏切で? 事故?」

蒼介はお母さんを振り返り、大きく首を傾げた。

誰もが声を発せず、白におかされた病室の時が止まる。

拓斗は次第に肩を震わせ始めた。