改めて拓斗を見れば、参ったよと情けなく笑っている。
けれど、深いブラウンがかった瞳は裏腹に、じっと私を見つめている。
まるで、私の中身を探るような目に、息は無意識に停止する。
「俺、寝ざめ悪くてさ。あの、昨日、椿は何し……」
「病室わかった。305だ。行こう」
蒼介の声が、拓斗の声を打ち消した。
早速奥へと歩き出す彼。
心臓のリズムが早まり、足が前に出ない私。
拓斗は、昨日の私の言葉をずっと気にしていたのだ。
誰の心の真ん中にもいない私の言葉が重く刺さっていたことにはっとしたけれど、すぐに俯いた。


