ただあの子になりたくて



静かに問う声に、泣くことはやめられなかった。

私は絶えず声を上げながら、深く想う。

もしこの話が本当なら、命を捨てた私にもう一度チャンスがやってくる。

親も、恋も、大切なものすべてなくなったこんな私に、私の姿をしたものが与えてくれた奇跡のチャンスなのだ。

私はか細い声で呟く。

「私は……私は……、蒼介のそばにいたい……」

想いが溢れる。

もう会えない蒼介の飾らない笑い顔が私の胸を占める。

次の瞬間、私は大きく大きく泣き叫んだ。

「私は、あの子になりたい……!」

ありったけの想いがはじけ飛ぶ。

言葉とともに、瞬く間にあたりにあふれる純白の光。

光で消えゆく視界の中、私の顔が幸福そうに微笑んだ。

私はそのまま、目も眩む白い光へのみこまれていった。