ただあの子になりたくて



そうして、私の空の旅は次で最後になる。

昼も夜も眠らぬ、あの夜も私を照らしていた自販機と、黄色と黒のシマシマの境界線を引くための棒。

私があの日未来を捨てた場所。

そこに一人の男の子が白いワイシャツの背中をシャンと伸ばして立っていた。

足元には、決して派手ではない真っ白なマーガレットの花束。

凛と立つ彼は目を閉じ、いつまでも手を合わせている。

私は自販機を置いている店の古びた茶色い屋根に腰かけて彼を見ていた。

その背中を見ているだけで、胸は勝手に熱を帯びる。

指先は彼に触れたいと、ひとりでに伸びてしまいそうになる。

でも私はそんな手を自分で抱き込んだ。