ただあの子になりたくて



そして一方で困ったのが、拓斗だ。

今日も髪型はばっちり決めても、椿の前では右往左往。

椿の前にしゃがみこんでは、いつも早すぎる手を引っ込めてもたついている。

私は思わずふきだした。

あのナンパな俺様拓斗様の名が泣くというものだ。

私はそんな拓斗の方がある意味好きだ。

けれど、もがいていた時の私のように、拓斗が足踏みをしているのはらしくない。

手紙にも書いた。

拓斗はかっこいいんだから、前へ進めと。

拓斗はあまり空気を読まずに突っ走っているくらいの方が気持ちいいのだからと。