ただあの子になりたくて



私の顔をした別人を食い入るように見た。

そうして告げる。

「悪魔ってね」

短い言葉が頭の中に響いた。

まったくのみ込めない。

「冗談でしょ? 今私どうなってるの? 自殺した罰とか与えにきたって話? こりゃ、夢だわ」

だんだんバカらしくなって、私は半笑いで問いかける。

悪魔なんて存在、高校生にもなって信じるはずがない。

やっと自殺したというのに、こんないかれた夢を見せられてはたまらない。

自分の顔も見ないで済む、本当の終わりの世界へ早く行きたい。

けれどその時、大きく轟いた深く大きなため息。