ただあの子になりたくて



「俺も、なずなが大好きだ。中学の時から、誰かのために笑おうとするなずなが、大好きだ」

声もなく、見開いた目から、涙が次々にこぼれおちていく。

ぼやけ切った視界の中で、彼の顔だけが輝いて見える。

言葉になんてなるはずがない。

胸が熱くていっぱいで、張り裂けてしまいそう。

「だから、逝かないでくれよ、なずな」

彼の震えた声が聞こえる。

彼の私を包む腕の力が強くなる。

うまく息ができないほど苦しくて仕方ない。

でも、私はもういかなくてはいけない。