ステージの真ん中には、一台の大きな寝台。
その上に横たわっているのは王子様ただ一人。
顔も上げずにのっそりと進む私に会場のさざ波はまた大きくなる。
ステージ袖で女子監督が腕をぶんぶんとふって何かを伝えようとしている。
でも、私は何もかも無視する。
私には今、王子様になった、横たわる蒼介しか見えていない。
枕もとまで来ればよく見える。
スポットライトに焼かれて赤くなる、かわいく跳ねたくせっ毛。
少し薄めの唇。
高いというよりは、ちょっぴり丸っこい素朴な鼻。
伏せられた意外と長くてきれいな睫毛。
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