海よりも上の人間の世界に夢見る人魚姫。 地味な自分とは正反対なキラキラした友達を見て、羨ましいと思った遠き日の私。 演じているのに、演じている気がしない。 練習の時からそうだった。 私は人魚姫のように美しくはないけれど、していることはほとんど同じ。 自分の本当の気持ちが台詞に乗っていく。 今度は上手から続々と現れる、煌びやかな衣装に身を包んだ人たち。 その中でただ一人、熱いライトを浴びる純白の王子様。 はにかんだ笑顔がかわいい彼。 ライトなんかなくても私には彼だけが特別輝いて見える。