今日もまたふるえて、ラインをはみ出すほどの文字。

9月16日。

〈今日、やっと、蒼介に告白をした。ふられてしまった。未練がましく、無理やり抱き着いてしまった。なのに蒼介は悲しくなるくらい優しかった。あれは罪だわ。でも、そんなこと思えない。蒼介は逃げずに、自分には好きな人がいると律儀に頭を下げてくれた。悲しい。でもよかったんだ。ありがとう、私の初恋の人。頑張れよ、蒼介!〉

あのしみの上に、大粒の雫が落ちる。

ノートの上にたくさんの雨がふる。

私は衝動的に、椿が詰まった日記帳を胸に書き抱いた。

その瞬間に声を上げ、決して抑えずに私は泣きだした。

今にも胸があらゆる想いで破裂しそう。

私はなんて愚かなのだろう。