*・*・*・*・*

何故だろう。

目の前がまだ、真っ白く染まっている。

いくら見渡しても影すらない白色が広がっているだけ。

しばらくこの状態が続いている気がする。

けれど、不思議と苦しくも痛くもない。

全身の感覚がないから、動き方もわからない。

まるで、とても静かな水面に、動けずに浮いているみたい。

代わりに、意識だけは冴え冴えとしている。

私は踏切の内側に入って、電車にはねられ、自殺したはず。