ただあの子になりたくて



心臓を高鳴らせながら、私は一ページ一ページ、ひたすら目を落とす。

淡いノートのラインの上に几帳面に丁寧な文字が、どのページにも並んでいる。

日にちは毎日連なっていて途切れている日はない。

4月6日の始業式の日には、<また蒼介となずなと拓斗と同じクラスになれた。最高のスタート!>といつもより、跳ねはらいが飛び上がって書かれている。

帰りにクレープを買って食べた日には、他の味と二人で分けて食べようとなずなが言ってくれたことが、とっても嬉しかったと記されている。

私ははっと気づかされる。

そんな思い出もあったはずなのに、忘れていた。

うらやむばかりではなかった。楽しい時間が確かにあった。

私なんかとの、こんなに些細なことまで書きとめてくれていたのだ。