ただあの子になりたくて



タイムリミットはもうほとんどない。

机に肘をついて頭を抱える。

机の隅にある、ブラウンのウッドの写真立てが目に入る。

長い黒髪を青空の下なびかせて元気に笑う綺麗な椿。

そしてその隣には、優しいお父さんと、力強く愛に溢れたお母さん。

ここの家族のありのままを切り取ったような写真。

私は手のひらを自分の胸にあてて、深く息を吐く。

この体を、椿に、この素敵な家族に、絶対に返さなければならない。

この写真のように、元に戻すのだ。

でも、私にできるだろうか。