ただあの子になりたくて



やっとたどり着いた椿の家。

うちよりもずっと立派な大きくて、三角屋根がかわいい家。

やはり今日も、あたたかそうに優しく丸い外灯が灯っている。

私はどこか罪悪感を感じて目を逸らし、まだつかみなれないドアノブを握って、玄関ドアを開いた。

小奇麗な玄関の風景よりも、天井のガラスで装飾された照明よりも先に、一気に視界がうめられる。

「椿!」

今にも死んでしまいそうな青ざめた顔の椿のお母さん。

靴下のまま玄関へおりてきて、一息に私の元へ飛び込んでくる。

ぼうっと立ち尽くす私。

耳元ですさまじい音がする。