こうして今、憧れの椿にもなった。
だから、混乱して、涙が溢れて、黄ばんだ街灯の光がにじんでしまう。
お母さんは、死にかけの私に、なりたいというのだ。
自分の望みを虫がよくも叶え、友達を死に追いやろうとしている、こんなダメな娘と、代わりたいと言ったのだ。
私なんかに言葉が見つかるわけがない。
嫌われていると思っていたお母さんに、そんなことを叫ばれて、パニックになるのが精いっぱい。
嬉しがるなんてもってのほか。
あの言葉がそんな薄っぺらなものでないことくらいわかっているから、言葉にならない。
私はガードレールから力なくおりて、痛む足を裸足のまま靴へ突っ込んだ。
痛みが私へ、また罪を突きつける。
それでも私は図々しく夜道を歩き出した。


