ただあの子になりたくて



そしてそんな中、私は目を疑った。

恐怖に震え上がった

目の前の私が、祝福でもするようにパチパチと手を叩き、ほほ笑んだのだ。

「だけど君は幸運さ。こんな犯罪、誰にもバレない。君は、その綺麗な容姿を晴れて自分のものにして、新しい人生を謳歌しなおせばいい。あの家族だけが、蒼介くんだけが、すべてじゃないさ」

「イヤだ! そんなのおかしい! そんなことできない! どうしてそんなことが言えるの⁉」

私はありったけの声で叫び狂った。

さっきの言葉をすべてかき消したくて、私は喚く。

私はそんな完全犯罪がしたかったわけではない。

椿の人生をかすめ取りたかったわけでもない。

憧れて羨ましがりもしたけれど、私がしたかったのは決してそんなことではない。