ただあの子になりたくて



「君がチャンスを、パアにしたんだ」

声が出ない。

勝ち誇って口角を高く上げ笑う私が、私を見下ろしている。

突き放される感覚。

壊れたマイクみたいに、激しく頭の中に反響する声。

頭がしびれていく。

でもそいつはなおも笑い続け、私に言葉の矢を容赦なく降らす。

「僕は君の願いを一つだけ叶えると言って、君のお望み通り、君を椿にしてあげた」

私は怖くなって目を逸らす。

頭が痛くなる。