私は唇を強く噛んだ。

苦しく眉をを寄せ、私は乱暴に手を振り払う。

繋がっていた二人の手が宙に散る。

目の前で、拓斗の顔が絶望に変わり果てる。

「知らないってば。もう、私はおしまいなの。関係ないの」

私は二度と振り返らずに走りだす。

もう掴んで止めてくる手はない。

私は拓斗の心まで踏みにじった。

最低な女だ。

でも、これで正真正銘、何もかも終わりなのだからいいだろう。