「それ、本気で言ってるのか、椿」
その場に足を張り付けたままの蒼介が、低い声音で問いかける。
私は何も迷うことなく真っすぐに見返した。
「こんな時に、冗談なんて言わないよ。悔やんでも過ぎたことでしょ。それがなずなの出した答えなら、誰にも変えられないよ」
いつも嘘をついてきた私だけれど、これは嘘ではない。
椿を演じてすらいない。
やっと見えた、ありのままの私の姿。
その時、肩に痛みが走って息をつめた。
彼の熱い手が私の両肩を固く掴んでいる。
眼前に、鼻を真っ赤にした蒼介の泣き顔が飛び込んでくる。
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