緑の皮張りのベンチがさも重そうに呻く。
ベンチの隣には、空気を読むことも知らずに自販機がうなりをあげ煌々と電気をともしている。
あの夜のようだ。
苦しくて浅い息しかできない。
生きた心地がしない。
蒼介も拓斗も、ベンチに座って体を大きく折り曲げて蹲っている。
もうどれくらいこうしているのだろう。
たった数分なのかもしれない。
でも、うっとうしい自販機の呻きに、一言も発さずにいる2人に、能天気にまっさらな白色に輝く床に、気がおかしくなりそうになる。
何で、嫌な時間ほど早く過ぎ去ってくれないのだろう。


