ただあの子になりたくて



私はしゃくりあげないように自分の口を慌てて塞ぐ。

彼の唇は言葉半ばで、超えなくわなないた。

きかなくても、その先の言葉は、言いたいことは、わかる。

彼はなんてお人よしなのだろうか。

私は勝手に死を選んだだけなのに。

あなたのせいではないのに。

大好きなあなたに悲しい顔などさせたくはないのに。

あなたは今、ただ、目の前の綺麗な恋人だけを見てくれていればいいのに。

こんな蒼介を、初めて見た。

蒼介はいつも、前向きで、みんなを元気づけるように笑っていたから。