ただあの子になりたくて



身も心も全部、綺麗になれると思っていたのに、なぜこうもうまくいかないのだろう。

歯がゆくて、私は紙パックを握りつぶしそうになる。

「なあ、椿……」

そんな時、彼の不意な声が私の指を緩くほどいた。

そして彼の声の方へ、ただただ導かれる。

私は声もなく見惚れ、美しいと思った。

真っすぐに上を向き、その済んだ瞳に雲の流れる青空をくっきりと映す彼が。

「人って、何で、近いと思ってても、遠いんだろうな……」

声がどんどんやせ細る。

空を綺麗に映していた瞳が、力なく閉ざされていく。