ただあの子になりたくて



手を洗ってくると、椿のお母さんとほとんどお揃いみたいな花柄のエプロンをつけてキッチンに立っていた。

黄緑やオレンジのかわいい果実みたいなボウル。

小さな窓の前に飾られた小瓶の花瓶。

名前は知らないけれど、薄紫の小さな花がたくさん集まって、みんなでほほ笑んでいるかわいい花。

明るく元気な光に溢れたすごく素敵なキッチンだ。

「じゃあ椿もこれ剥いてくれる? 剥けたら薄くスライスするの」

「はーい」

目で、真っ赤なリンゴを指し示した椿のお母さん。

私はそれを手に取って、しばし隣に目を向けた。

するすると魔法のようにうまく包丁を扱っているお母さん。