私の胸の奥まで、ぽかぽかと温かくなる。
目尻が危うく熱くなる。
私は言葉もなく、深く頷いた。
家とは、こんなにも温かいものだったのだ。
私の家にもこんな光景があっただろうか。
今にも消えかけそうに思い浮かぶ。
キッチンなんて洒落た呼び方より、転がる野菜の切れ端と、安物の少し焦げ付いたフライパンが似合う台所。
泣いていた私に、とても歪なクマの形のホットケーキが差し出されたのは、もう遠い遠い昔のこと。
うちからは、こんな光ととうに消えた。
だから、細い二本の脚が、光にすくむ。
羨ましいと、心臓が鳴く。
「うん……、すぐ洗ってくるね」
あまりに眩しい光に目を細めて、私は駆けだした。


