ただあの子になりたくて



スウェットのワンピースをさらっと着て、テンポよく階段を駆け下りる。

躍り出たリビングで、私は思わず目を細めた。

リビングの奥に溢れかえる、太陽の真新しく白い光。

白一色に磨き抜かれて輝く清潔なキッチン。

キッチンにあるのは額縁のような小窓ひとつなのに、そこから綺麗な光ばかりが降り注ぐ。

そんな中に佇む椿のお母さんは、何故わかったのか、自然とくるり、振り向いた。

「はやかったわね。洗面所で手を洗ってらっしゃい。そうしたら、一緒に作りましょ」

光の中、より一層、眩いほどに輝く笑顔。

つい、見惚れる。

静かに胸へ手を当てる私。