何が、拓斗にもわからせてやりたい、だろう。
こんな私がよくも、惨めな脇役になんかなるなと、思えたものだ。
ちゃんちゃらおかしい。
つんと痛くなった鼻をすすりあげる。
「蒼介の奴なんかのために、必死になんなよな……」
俯いていて顔は見えなかった。
でも、視界が一気に滲んで、瞬きを懸命に堪えた。
だって、拓斗の声が酷く掠れていたから。
脇役なら、うまく演じきろよと、本当は拓斗に言ってやりたかった。
私が椿ではなかったら、一緒になって声を上げて泣きたかった。
「なーんてな。ははっ」
芯の冷え切った安い芝居の笑い声。


