ただあの子になりたくて



私はシェイクに手をかけかけて、息をのんだ。

「まあ、俺は嬉しいけどさ……」

拓斗の指先から、ゴミになった紙がトレーへとこぼれおちる。

その転がる行き先をじっと見ている拓斗は、苦し気に目を細め、それを指先でさらに弾いた。

けれど包み紙は、トレーの端にあたって彼へと跳ね返っていく。

私はシェイクで指先が冷え切っていくのも気にせずに、彼を夢中になって見ていた。

冷えた指よりも、なぜか、胸の奥が冷たく苦しくなっていく。

頬杖をついた拓斗が、いつもより煌めく瞳で笑うせいだ。

そんなにも痛々しい顔で笑わないでほしい。

また、あの思いがよみがえってくるから。

私の胸がどんどん痛くなるから。