*・*・*・*・* なすすべもなく力の抜けた手が、ソファーの上にべたりと張り付く。 こめかみにじわり浮き出る冷汗。 未だに拓斗の眼差しが私の肌をじりじりと焼く。 言葉を考えれば考えるほど、頭の中が白くなっていく。 まさか、椿の体に私が入っているだなんて魔法みたいなことに、誰も気づけるはずがない。 いくら勘のいい拓斗でも、考え付くはずがない。 でもならばなぜ。 何言ってるのと冗談を返す余裕すらない。 根負けして顔をそらせば、目は右往左往に泳いでしまう。