愛蘭は自分の方が先に好きになった自信がある。

なにしろ一目惚れしたから。

地元の高校の1日目、教室に何人かの友達と一緒に入ってきた彼を見た瞬間に。

長身で、筋肉質で。

彫りが深くて

ちょっとだけパーマがかかった髪。

そして一番に、綺麗なとび色の瞳。

全てが理想だった。

2回目の席替えで隣になり、2人はすぐさま意気投合。

仲のいい友達になれた。

秋、初めて2人きりで出かけたとき、愛蘭は彼が自分を意識していることに気づいた。

愛蘭自身も、決してモテない方ではない。

165センチという理想的な身長に、細くて華奢な手足。

大きな栗色の瞳と小さな整った顔。

サラサラとしたボブの黒髪。

胸の膨らみは大きくはないが、存在を主張するには充分で、形の綺麗さが服の上からでもよくわかる。

そして、透き通るように白い肌。

愛蘭は自分のルックスがいいことを知っている。

それは彼女がいかに可愛らしくて綺麗なのかを寄ってくる男たちが教えてくれるから。

でも愛蘭は男と関わっていい経験をしたことは皆無で、今までの彼氏たちは彼女をアクセサリーか何かのようにただ側に置いておくか、

自分の性欲を満たすことしか頭にない連中たちだった。