君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


「私の今の気持ちだけ考えてよ。
これから未来、嫌いになった話なんて……悲しい。
それなら、好きになってもらったらって考えて」

「……僕。好きになって貰える自信がない」

「うん。知ってる」

「誰かに告白された事もないから、どうやったら好きになって貰えるかもわからない」

「うん」

「そんな僕が、そんな、僕が……好きになって貰った未来を考えてもいいの?」


不安そうな瞳で窺うように見る槙野くん。
バカだな。そんなの聞く必要ないじゃん。
許可もいらない。


「当たり前じゃん」


そう言って、私はニッコリと笑った。
考えるぐらい自由なのに。

槙野くんは笑っちゃうぐらいに真面目なんだ。


自分が勝手にそんな未来を思い描いたらいけないって思っているんだろうな。


付き合ったらここに一緒に行きたいなとか考えるモノじゃないのかな?
私は今まで好きな人がいなかったからわからないけど。


でも、少なからず槙野くんと一緒にどこかに行きたいなってのは思っているよ。
そういう事じゃないのかな。


「ねえ、藤さん。僕の事、たくさん知って。
それでさ……」


―――――――――好きになって。