君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】



「僕と話してさ、藤さんが他の人に変に思われたりするのは嫌なんだ。
僕は藤さんが大好きだから、冷やかされたっていいよ。
でも、藤さんは違うでしょ?」

「……槙野くん」

「変わろうと思ってるけど、それって思ってた以上に難しいね。
藤さんが今の僕でいいって言ってくれたの、凄く嬉しかったんだ。
でも、それって藤さんの優しさだから。
藤さんは優しいからそう言ってくれるけど、僕は他の人が普通にしていた事が出来ない」

「普通に?」

「うん。朝の挨拶だって普通の事なのに、僕がすると驚かれる。僕が槙野さんと仲良くしていると注目される。
これって普通じゃないよね」



槙野くんの中で当たり前だった事。
私の中での当たり前の事。


それが違っているんだ。


朝、友達に会ったらおはようって言うのは私にとったら当たり前の事。
でも、槙野くんは今までそれがなかったから。


けどさ。


「別にいいじゃん」

「え?」


私は槙野くんを見ると、続ける。