君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】




「それに藤さん、静かだったからちょっと心配だったんだ」

「え?」

「なんか、今日様子おかしかったでしょ?」

「そ、そう?」


今日っていつからだろう。
思い返してみるけど、様子がおかしい事だらけだ。


とぼけてみたけど、きっと槙野くんにはお見通しだろうな。


「うん、時々顔が強張っていたし。
と、思ったらお昼に話しかけて来るし。
なのに、家に来たらいつもより黙ってたでしょ?」

「…………」


言い返せないぐらいに見透かされている。
その理由は貴方です、ってのはわかっていないだろうけど。



「何かあった?」

「……ううん」

「それって僕が原因だったりする?」

「えっ」


驚いて槙野くんを見れば、槙野くんは眉を下げ悲しそうな顔で微笑んでいた。
どうして槙野くんはこんな悲しそうな顔をしているんだろう。

今にも泣きそうだ。


どうして?