君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】




「うん。行こうか」


里緒はずっとニヤニヤと私を見ていた。
なんか、色々察して勘違いしている気がする。


二人で槙野くんの家を出てから、学校へと向かう。


「なんか、ごめんね」

「何で藤さんが謝るの?」


教科書を忘れた私に付いて来てくれるからだったんだけど、何故私が謝ったのか理解出来ないみたいだ。
どう返事をしていいかわからず、私も言葉を詰まらせた。



「僕は少しの時間でも藤さんと二人きりになりたかったんだよ」

「…………」


またそういう事言う。
胸がキュンってして、マトモに顔が見られない。


「もちろん長田さんと話すのも楽しいけどね」


ふふっと笑った槙野くん。

ああ、ズルイなあ。
ふんわりと笑うその顔は凄く優しくて目を奪われてしまう。