君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】


玄関の扉を開けて、部屋の奥から出てきた女の人。

ふわふわゆるゆるのパーマのかかった長い髪の毛を下ろしていて、洋服の上からでもわかる華奢な体。
透き通るぐらいの真っ白い肌。
綺麗な顔立ち。
だけど、笑った顔は凄く槙野くんにそっくりだった。

ああ、お母さんなんだ。ってすぐにわかった。



「おかえりな……、って、え?お友達?」


驚いた顔をしている槙野くんのお母さんは、私達と槙野くんを交互に見ている。


「母さん、ただいま。うん。家で勉強しようと思って。いいでしょ?」

「ええ、もちろん!後でおやつを持って行くわ」


笑顔でそう答えると、槙野くんのお母さんは「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」と声をかけ出てきた部屋へと戻っていく。


「やっぱり張り切ってる。甘いモノ、二人は好き?」


くるっと振り返った槙野くんは少し呆れながら私達に尋ねる。


「うん、好きだけど」
「好きだよ」


里緒と私が答えると、槙野くんはホッとしたように笑った。
それから、自分の部屋へ案内しながら口を開く。
槙野くんの部屋は二階みたいだ。


「よかった。後で母さん、手作りお菓子持ってくると思うから」

「手作り?」


私が聞くと、槙野くんは頷く。